プロペラペンギン・ストーリー
ペンギンはこうしてドローンに出会った
1. 病気と身体障がい、そしてASD
満月の病気は青色ゴム毬様母斑症候群という脈管奇形の一種で
小児慢性特定疾患にも指定されている
9歳の頃より歩行が困難になり車いすに乗る
のちに自閉症スペクトラム症(ASD)とも診断される
2. 将来への不安
幼少から入退院と手術を繰り返し、1日の大変を横になって過ごす
突然悪化する症状と激しい痛みに不安な日々を送る
車いすで自分では外出もままならない
「このままだと一般的な就労は難しいだろうな…」
小学校高学年くらいからそんな事を考え始める
そして中学からは特別支援学校に通うようになる
3. カフェと間違えて入ったコワーキング
満月は15歳になった
ある日、前から行ってみたいと思っていたカフェに行った
するとそこはカフェではなかった!
(一体ドローンと何の関係があるの、と思うけどココ大事)
「あ、うちカフェじゃなくてコワーキングなんです…」
「え、そーなんですか !? 」
「でも今度 別のとこでカフェオープンするので、よかったら行ってみてください」
せっかくご案内いただいたのでそのカフェへ行ってみる
オーナーさんはとても明るくて気さくな人でとても話がはずむ
4. 「障がい者のドローンレースチーム作りたいんですよね!」
オーナーさんが目を輝かせてそう語った
「あ、ウチ 障がい者いますけど…」
「え、本当ですか!今度ぜひ一緒にいらしてください!」
と話が進み、数日後満月を連れてカフェに行く
するとアレよあれよとドローンの飛行体験会の話が進む
5. 碇シンジくんの再来
そうしてドローン事業者さんを招いて飛行体験会が行われた
満月は日頃のゲームのウデマエを遺憾なく発揮し、
見たことも触ったこともないドローンをプロが舌を巻くほどに見事なフライトを披露
「初めて触るドローンをここまで操縦するとは…」
その場の誰もが驚き、満月は大変な賞賛を受ける
6. 自信と気づき
「みんなが褒めてくれてすごく嬉しかった」
帰りの車で満月の表情は喜びと自信に満ち溢れていた
今まででいちばんの笑顔だったかもしれない
この経験は満月の大きな自信となる
そうだ、ドローンなら障害に関係なく操縦ができる、
病気があってもフリーなら自分のペースで活動できるんじゃないか!
そう思ったのが事業を思い立つきっかけ
あの時コワーキングに間違えて入らなければ
ペンギンはドローンに出会うことはなかったのです